魔導書の神判

登録日:2013/08/29(木) 23:58
更新日:2024/02/07 Wed 23:19:10
所要時間:約 9 分で読めます




魔導書の神判とは、遊戯王OCGに登場する魔法カードである。

◆前置き

RETURN OF THE DUELIST」で魔導書シリーズのカードが登場して以来、新たなパックが登場する度に着実に強化されているテーマであり、
シナジーのあるテーマである魔導共にデュエリストの間では中堅デッキとして静かに人気を獲得していた。

しかし中堅である以上、それなりの成績を残しつつも環境のトップデッキとして君臨するまでには至らなかった。
大会でもある程度見かけられるが、3vs3のチーム戦を中心に結果を残すこともあった程度で優勝すると褒められる程度の立場*1

そんな魔導使いたちは「贅沢な悩みを言うなら《カードカー・D》みたいな安定してアドを作れるカードが来たらいいな~」なんて思っていたそんな中、
遂に「LORD OF THE TACHYON GALAXY」にて、魔導書待望のアドを作れる強力なサポートが登場する
それが本項で解説する《魔導書の神判》である。

◆概要

細かい話は抜きにして性能をまずご覧いただきたい。

《魔導書の神判》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードを発動したターンのエンドフェイズに、
このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの数まで、
デッキから「魔導書の神判」以外の「魔導書」魔法カードを手札に加える。
その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。


なぁにこれぇ?





頭 お か し い

「強力なサポート」で済めばまだマシだった
見ての通り、誰がどう見てもぶっ壊れである。
一言で表すなら遊戯王版ストーム(MtG)。ちょっとしたカードゲーマーならまず駄目だと本能的に感じられるレベル。
ここまで清々しい程に壊れていると敢えて解説するまでもないと思われる方も多いだろうが、今回はこのカードがどのように壊れているのかを懇切丁寧に解説する。

◆解説

◆1 好きなカード呼び放題

トレーディングカードゲームにおいて、山札から狙ったカードを手札に呼び込めたり、
場に出せることは、ゲームを有利に進める上で極めて重要である。

通常、手札は自分のターンが来るたびに山札(デッキ)から1枚づつ引くことができるが、
この方法で手札に加わるカードは数十枚の山札の中からランダムに1枚であり、その時欲しいカードであるとは限らない。

しかし、「山札から任意のカードを手札に加える」効果や「山札から任意のカードを場に出す」効果を使えば、
その時の戦況で一番欲しいカードをピンポイントで手に入れることができる。→サーチカード

さて、このカードはというと、
  • 狙った(しかも多数の)カードを手札に加えられる
  • 狙ったモンスターを直接場に出せる
どちらの効果も内蔵している上に同時に両方使える。まずこの時点で色々とヤバイ。

しかもぶっ壊れテーマカードにもかかわらず直接呼び出せるモンスターはよりによって「魔導」指定ではなく「魔法使い族」指定。

魔法使い族は元々エクゾディアの影響か他の種族と比べてサーチ手段が少ない代わりに、魔法カードを多数使うデッキと相性が良い《王立魔法図書館》や特殊召喚を封じる《昇霊術師ショウゲン》を筆頭に優秀な効果モンスターが豊富で、
中には《お注射天使リリー》といった魔導テーマの弱点である攻撃力の低さを補えるモンスターが存在する等、
見事なまでにメタと弱点を補う要素が揃ってしまっている。


◆2 魔法カード使い放題

魔導書』は「魔法使い族を強化」「魔法使い族に耐性を付与」「魔法使い族を蘇生」など、
魔法使い族モンスターをサポートする効果を持つ魔法カード群であるが、その多くは使い捨てかつほぼ1:1交換の効果が殆どである。

だが、神判を使用すると魔法カードを使った枚数分だけ魔導書が補充されるため、魔法カードを使っても全く手札が減らない。

それどころか、魔導書の神判が山札からサーチするのは「任意の魔導書」であるため、
魔法カードを使えば使うほど手札の質が良くなるという意味不明な状態が発生する。

魔導書を使いまくれると言う事は必然的に墓地もドンドン肥えていくため、
《魔導書院ラメイソン》の魔導カテゴリの魔法回収兼ドロー効果、《ゲーテの魔導書》の3枚除外で発動するといった本来コストが重いことでバランスが保たれる強力な効果をそれぞれ毎ターン発動できてしまう。
特に《ゲーテの魔導書》による、自分ターンだろうが相手ターンだろうが毎ターン飛んでくる対象を取らない除外はかなりの脅威である。
正直な所、当時このカードに対する耐性を持ったカードはほぼ存在しなかったのだ。

これだけでもやばいが何故か、ぶっ壊れテーマカードにもかかわらず発動カウントは「魔導書」指定ではなくあくまで「魔法カード」指定なのもポイント
つまり全ての魔法カードの効果に+1アドを付ける効果と言っていい

例えば同名サーチのできる《トゥーンのもくじ》とライフ1000で発動できる《トゥーン・ワールド》を使った定番の単なるデッキ圧縮ギミックに神判を組み込むと実質1:4交換のアド製造機になり、
《成金ゴブリン》は《閃刀起動-エンゲージ》とほぼ同じ効果のアド製造機になり、
本来ディスアドが大きく、決着を1ターン引き延ばすだけの《一時休戦》に至っては神判の唯一にして最大の弱点である序盤の初動の不安定さを補う、事実上の死刑宣告カードになる
等など...

1:1交換の汎用魔法カードですら1:2交換以上のアド製造機に化ける。もはや理解できない……。


当然、魔法を使えば使う程手札や墓地は潤いまくり、相手にターンが回っても分厚い防御で用意に耐えて返しのターンでフルボッコといった、
相手にとっては悪夢のような展開に持ち込むことも容易であった。


◆3 連発し放題

しかしどんな強力なカードであろうと引き込み、発動できなければ意味がない。
効果自体が神判レベルにおかしい《W星雲隕石》や《真炎の爆発》はサーチできず、
例え手札に来たとしても発動する前にそれ相応の下準備が整ってなければ効果を発揮できないからこそ「強いけどぶっ壊れかと言われたら・・・」程度で正常な範囲の強さに収まっているし、このレベルのテーマ専用サポートは他にもあるにはある。

だが、魔導書というテーマは元々、魔法カードも含めた「魔導書」のカードを手札に呼び込むことを得意とするデッキなのだ。
非常にタチの悪いことに、このカードの名前にも「魔導書」とついているので、このカードは極めて高確率で1ターン目で引きこまれ、その1ターン目で効果を発揮できてしまう。

一応《魔導書の神判》で《魔導書の神判》を手札に加える事はできないようになっているが、実はこの指定は何ら意味を成していない。

《グリモの魔導書》
通常魔法
デッキから「グリモの魔導書」以外の「魔導書」と名のついたカード1枚を手札に加える。
「グリモの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。

《魔導書士 バテル》
効果モンスター
星2/水属性/魔法使い族/攻 500/守 400
(1):このカードが召喚・リバースした場合に発動する。
デッキから「魔導書」魔法カード1枚を手札に加える。

この2枚のカードにより容易に手札に持ってくることができるのだ。
しかも
《魔導書の神判》→《グリモの魔導書》→《魔導書の神判》→《グリモの魔導書》(以下略)
というループにより、神判は1枚でも発動に成功すれば毎ターン連発できる。
《グリモの魔導書》を使わなくても自身の効果で《魔導教士 システィ》を呼び出して直接加えてしまう方法もある*2

《魔導書院ラメイソン》で墓地の「神判」をデッキに戻して他のカードで再サーチ、
《アルマの魔導書》の効果で除外された「神判」を手札に加えることができるため何処からでも手札に加えることができてしまう。
このカードは1枚、否1回使うだけでもぶっ壊れなのに、ゲーム開始時点から2回以上、それも毎ターン連発されることがほぼ確定しているのである。

一応「神判」は1ターンに1度しか発動できないが次の理由からダブっても大した問題ではない。

◆4 相手の魔法発動もカウントする

何故か相手の魔法カードの発動回数もカウントするため、伏せてスタンバイフェイズにでも発動しておけば相手の魔法発動を牽制できる。
これのおかげでダブっても非常に腐りづらい。
相手がサーチされるのを嫌がって魔法の使用を控えればそのまま有利を固定できるし、そもそも大抵の場合前のターンに召喚したバテルとサーチしたゲーテがあるので問題ない*3

むしろ後期型ではより安定するこちらのセット牽制戦法が基盤になる程の強み。
このせいで自分のスタンバイに発動されたこのカードにチェーンして伏せカードを破壊するために、
《サイクロン》3枚では足りないとばかりに《トルネード》までサイドボードに用意されることが多々あった

◆5 遊戯王のルールと極めて相性が良い

多くのTCGは、手札があるだけでは勝てない。
MtGやDMなら何らかの行動を起こすにはまずマナが必要であるし、
ポケモンカードは手札がどれだけあろうがエネルギーを付けなければ、基本的にポケモンはわざを撃てない。
無論手札が多いと有利なのは確かなのだが、手札の枚数が行動回数の増加に直結するわけではないのである。

ところが、遊戯王は基本的にカードを使う上での制約がほとんどない。
事実上手札の枚数が行動回数であり、手札があればあるだけ手数が増える。
有り体に言えば手札が多いほうが勝つゲームである(一部例外もあるが)。
だからこそ《強欲な壺》や《生還の宝札》といった容易にドローできるカードが禁止されているのだ*4

このようなゲームにおいて手札を使っても減らないというのは明らかにマズい状態である。

もしも「神判」が引きこむのがモンスターであればまだ良かった。モンスターは原則1ターンに1枚しか出せず、効果で出すには適切な条件と複数枚のカード消費がないといけないからだ*5
罠であればまだ良かった。1度伏せて次の相手のターンが来るまで使えないからだ。
よりによってサーチするのは個々の発動コスト以外に発動制約がなく、モンスター&罠と同等の行動ができてしまう魔法手札から回数制限なしで使い放題である。


さて、ここまで読めば「こうも強力ならばきっととんでもなくレアで入手が難しいに違いない」と思う方もいるかもしれない。

「これほどの効果を持ったカードに相応しいレアリティが当てられるに違いない。
そう思っての静観だった。

だがKONAMIは…弾 け た






このぶっ壊れカードのレアリティ、それは……




ノーマルです。


もう一度言います。




ノーマルです。



◆6 まさかのノーマル収録


このカード、ノーマルでの収録となったのである。

コナミお得意のノーマル(笑)ではなく、正真正銘のノーマル
強欲な壺をも凌ぐアドバンテージの塊が、ザクザク手に入る状況だったのだ。

「レアカードなんかに俺たちは頼らねぇ!」という人でもボックスかパックをそこそこ買えば魔導書の神判がほぼ確実に手に入るのだ。
というかその気になればバテルとヴェーラー以外はほぼ低レアカードかストラクチャーデッキのカードだけでデッキが組めた。

古参のプレイヤーはかの悪夢を思い出したことだろう。

ちなみに海外ではシークレットレアにまで格上げされている。

◆まとめ

……もういいだろう。このカードが誰がどう見てもぶっ壊れである事はご理解いただけたと思う。

その他にも《ゲーテの魔導書》による耐性無視の除去とか、
《魔導教士 システィ》や《昇霊術師 ジョウゲン》や《青き眼の乙女》との相性の良さとか色々とコイツが強かった理由はあるのだが、
もうコイツについて考えたくないのでやめる。

とにかく「神判」が1度発動されたが最後、

万能除去を内蔵した攻撃力2500の強力な巨乳は立っているわ、
かと思えば巨乳から寝取りが得意技な目玉は出てくるわ、
ハゲが立っていてこちらの墓地のカードは除外される一方自分から除外できないわ、
坊主が立っていて特殊召喚モンスターは一掃されるし特殊召喚できないわ、
攻撃力3000以下の生半可な除去&効果耐性持ちは看護師と嫁に消し炭にされるわ、
対象を取らない除去の速攻魔法でこちらのカードはゲームから除外されるわ、
魔法・罠は1体の魔法使い族には通らないわ、
アド差を作られる前に速攻で決着を付けようとしたら一時休戦で作戦を瓦解させられるわ、
こっちは対抗策がどんどん無くなるのに、王立魔法図書館のドロー効果で相手の手札はどんどん肥えてるわ、
最強の魔法メタにして最強の魔導メタであるはずの「闇のデッキウィルス」を放ってもチェーンで「神判」発動されたりバテルとラメイソン抱えられて全然メタれないわ、
これらの猛攻を凌ごうと動き始めようとする前に「神判」で牽制されるわ、
これらを疲労困憊になりつつなんとか凌いだと思った矢先にもう一度「神判」が発動されるわ、
そこからさらにファンサービスと言わんばかりに「神判」が発動されるわ、
そこからさらに(ryされるわ、

並のデッキが対抗云々の前に耐え抜くことすら困難であった。



こんなカードが来てしまったので従来の1:1交換の質アドをコツコツ稼いで地道にアドを稼ぐシルバーバレット戦術に近いパーミッションコントロールよりの魔法使い族ビートダウンデッキだった【魔導】デッキが、
取り合えず《一時休戦》などディスアド時間稼ぎカードを使ってでも神判のアド差でごり押しする全く別ベクトルのデッキに成り果ててしまった
枚数アドバンテージを稼ぐ強力なエンジンを持たない代わりに、その分を質とサーチ手段で優れる堅実なカードが多くあったところに、とんでもないパワーのアド獲得エンジンを仕込んできてしまったわけである。


◆環境において

こんなぶっ壊れカードを与えられたデッキが環境の片隅に留まっている筈もなく、瞬く間に【魔導】は環境のトップへと上り詰め、
「神判」と同時期に登場した【征竜】と、トーナメントシーンを二色に染め上げた。
大躍進に喜んだ魔導使いもいれば、フリー対戦や身内での対戦で嫌な顔をされて気まずい思いをした魔導使いもいることだろう。

もちろん、大量サーチとリクルートから繰り出される強靭すぎる攻防にトラウマを植え付けられたデュエリストも数知れない。
当初こそ《闇のデッキ破壊ウイルス》*6を自然に入れられる【3軸炎星】が対抗馬として三つ巴になるかと思われたが、カードパワーの圧倒的な差により、すぐに2極支配に。
当時は、【魔導】と【征竜】に対して相性の良かった【ヴェルズ】がたまに入賞するくらいであり、他のデッキが優勝したら驚かれる事態である。
【魔導】と【征竜】以外を使う場合は相性が良くなくても、いや悪くても両方のデッキに刺さる《王宮の鉄壁》をメインから強要される状態であった。
積んだ所でロクに勝てないけどね。
「鉄壁」に加えて魔導書へのメタとして《DNA改造手術》*7やら《ドロール&ロックバード》*8や《闇のデッキ破壊ウイルス》やら魔導でも使われていた《霊滅術師 カイクウ》*9やら何やらまで突っ込んだ【メタビート】まで登場し、善戦するも2極支配を崩すほどにはなれなかった。
そんなこんなで【カオス】全盛期などに匹敵する暗黒期と揶揄されることも多い。一強環境じゃない分マシとも。
とはいえ、両デッキの有り余るアドバンテージ獲得能力を活かして、今までトーナメントレベルでは殆ど使用されていなかったカードに注目が集まるなど、
暗黒期になりに独自のメタゲームが繰り広げられていた。

その間に出たカードもこいつらのメタどころか後押しをするカードばかりを出していたため余計にどうしようもない環境となっていた。
乙女とか星態竜とか海外組の魔導書とか。手違いというメタも出たが出るのが遅すぎた。
青眼なんかは環境トップに媚を売ったということで幻滅したデュエリストもいたとか。

そんなこんなで神判は段々と当の魔導使いからも煙たがれる存在となっていった。
なんたって従来の魔導書の形であるパーミッションよりの魔法使い族ビートダウンが否定されるばかりか、
このカードのせいで他のカードも規制に巻き込まれる可能性もあったからだ*10

環境後期はおっぱい達が抜けていき、【征竜】に相性のいいカイクウやジョウゲンを増やす神判のためのデッキとなっていた。
【魔導】というより、もはや【神判】という状態であり、神判一枚に【魔導】が乗っ取られた状態に近かった。
というか最後の方は同じ魔導と同期のぶっ壊れをメタれるカイクウとジョウゲンで相手を縛り、その間に大量の魔導書でサポートしつつ青眼セットといった耐性持ちに強い高攻撃力モンスターで殴り切るデッキとなっていた。
誰が言ったか【坊主ビート】。魔導モンスター?バテルしか入ってないよ。
坊主とヴェーラーやドロバの様な手札誘発、乙女と青眼セットと、魔導モンスターよりも他のモンスターの方が多かった。

ちなみに当時の世界大会ではカードプールの違いから【征竜】に王座を譲る形となった。


が、驕れる者も久しからず。
2013/09/01施行の制限改訂により、魔導書の神判は一発で禁止指定を受けることとなる
登場してから僅か198日。これは歴代でも最速クラスの禁止化であり、当時の通常パック産カードでは最速禁止を宣告されている。
あの混沌帝龍-終焉の使者-ですら制限指定を経たうえで496日、DDBも290日で一発禁止なのでそれよりも圧倒的に早い。
これまでも強力すぎるカードについて「コナミはテストプレイをしていないのではないか?」などと囁かれてきた場面は何度もあったが、またそういった話題の種が増えてしまったわけである。

かくして魔導最大の切り札であり、問題児であるこのカードは環境からその姿を消すわけだが、
デュエリストたちの記憶や遊戯王OCGの歴史からは永遠に消えることはないだろう。

ちなみに環境を二分した片割れの【征竜】はこの後もデッキに組み込まれたカードを多数禁止・制限指定されていくが、【魔導】は神判1枚しか規制されなかった。
後にこのカードとは無関係の所で《グリモの魔導書》が規制されたがまあ別の話である。遥か後にでた《ルドラの魔導書》との出張セットのせいだし。
壊れカードの塊の【征竜】に対して対等に渡りあっていたにもかかわらず、このカード1枚を失った【魔導】が即座に環境から消えたことがこのカードの異常さを物語っている。
カードパワーもさることながら、サーチとサルベージが容易という点がいかに強かったかということもわかるだろう。


◆そして釈放へ…

そんなこんなでかつて決闘者達から恐れられ、実に9年に渡る眠りに就いていた魔導書の神判。
そんな禁書だが、当たり前のようにうらら等が飛び交う現環境では大丈夫という判断か、2022年7月1日付のレギュレーション改定においてとうとう制限復帰が決定。
なにせ手札誘発に限らず、サンダー・ボルトやトリシューラすら無制限になる*11程に加速している環境なのだ……。
現在は先攻で制圧盤面を完成させて実質的な1ショットキルを決めるのが常態化しており、「次のターンでお前は死ぬ」ムーブでは遅いと判断されての復帰とみられている。
だが、エラッタもなく復帰という判断に、当時の暴れぶりを知る決闘者からは1枚でも十分ヤバいという声も数多い。
尤も三詰みが許された時代しか無いので、制限となればどれほどの影響力かは未知数とも言えるが……。

色々言われていたが、さっそく【閃刀姫】や【神碑】との混合が考案されて実績を残すなど、早くも現代遊戯王の環境に適応し始めている。
当時からかなりインフレの進んだ第11期においても1枚で食らいつくとはさすがの一言であるが、制限カードということもあってか全盛期程の結果は残せていない
そのためか2023年4月の改訂で準制限に、7月には遂に無制限にまで緩和された。
まさか9年も封じられたカードが1年で完全に釈放されるとは、テーマ自体が遅れ気味のためとはいえ環境の変化とは恐ろしいものである。

◆余談

カードイラストの構図は元ネタであるタロットカードの大アルカナ「審判」を踏襲したものとなっている。是非見比べてみてほしい。
なお、タロットでの「審判」は
  • 正位置:復活、結果、発展
  • 逆位置:悔恨、行き詰まり、悪い報せ
という意味を持つ。
確かに自分から見ても(正位置)相手から見ても(逆位置)このカードの意味にそぐうものになっているが、何もここまで強烈に再現しなくても……。
どうでもいい話だが神判のイラストは元ネタを再現してるため、あのハイロンさんが存在し彼に対して無駄にヘイトを感じた物がいたとかいないとか。


修正・追記はこのカードを発動したターンのエンドフェイズ時にお願いします。

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最終更新:2024年02月07日 23:19

*1 この時期は様々なデッキが入り乱れる環境であったため、中堅デッキでもプレイヤーの腕とメタ読み次第で上位進出や優勝することが出来た。

*2 システィの効果が「エンドフェイズ開始時」ではないため。まあ環境後期には手札に来たら邪魔なだけなシスティはほぼ入っていなかったのだが

*3 ゲーテの2枚除外モードでバテルをセットして再利用。魔法1枚使用で1枚サーチできるので爆アドである

*4 他のTCGでは、もっと強力なドローソースが無制限だったりもするが、いずれもマナが必要であったり、

*5 ペンデュラム登場あたりからそこら辺が大幅に緩和されたので、あくまで当時の話である。

*6 3ターンの間相手がドローした魔法カードを破壊できる。

*7 魔法使い以外にされると、かなりの数の魔導書が使えなくなる。

*8 デッキからのサーチを禁止する効果を持と当時のトップメタに刺さる。

*9 墓地の除外を禁止する効果を持つ。

*10 征竜側ではその危惧は現実になった。

*11 これらも依然として強力なカードであるが、前者は先行で役に立たないカードであり先行有利の環境にマッチしていないこと、後者はシンクロ召喚自体が減少していることなどから、採用率は全盛期程ではない。