バーサーカー(Fate)

登録日:2009/06/25(木) 21:43:21
更新日:2024/04/03 Wed 10:56:33
所要時間:約 26 分で読めます







じゃあいくね。やっちゃえ、バーサーカー


▇▇▇▇▆▆▆▅▂────!!



Fate/stay night』に登場する、第五次聖杯戦争での狂戦士サーヴァント
CV:西前忠久

『Fate』シリーズ全体における「バーサーカークラスのサーヴァント」については、こちらの項目で。





○データ






○概要

3m近くの身長を誇る筋骨隆々の超大男。筋肉モリモリで色黒肌の半裸の巨体は、正に歩く大岩といったところ。
総じて一目で「強い」と分かる外見であり、初見の士郎曰く「圧倒的な死の気配」「視線も合わせていないのに身動きが取れない」とのこと。

マスターはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン
第五次バーサーカーは霊格の高い英霊のため、通常の令呪では命令の内容によっては三画を一度に使用しても弾かれてしまうのだが、
イリヤはバーサーカー制御のために特別製の令呪を施しているため、容易く制御している。言うなればイリヤ専用サーヴァント
そういった背景もあり、もしもイリヤ以外のマスターが第五次バーサーカーと契約し、使役した場合、
バーサーカークラス特有の元々の魔力消費の多さに加え、「狂化」スキルも災いして動かすだけで魔力が一気に枯渇してしまうという。

サーヴァントとしての強さも折り紙付きで、見た目に見合った凄まじいパワーと、逆に見た目からは想像できない高いスピードを持ち、
第五次セイバーが「最優のサーヴァント」なら、第五次バーサーカーは「最強のサーヴァント」と評される。

「狂化」によって言語能力が失われており、基本的に発する言葉は常に叫び声。
狂戦士だから仕方ないのだが、作中で言語疎通という意味で話す事は1回(映画HFも含めば2回)しかなかった。
その叫び声はテキスト上では文字化けで表現されている。

ちなみに、PC版で唯一ボイスがある(叫び声)。




※以下、ネタバレ




















◆真実

真名はギリシャ神話の頂点に君臨する、ギリシャ最大の大英雄ヘラクレス
第四次聖杯戦争で聖杯を逃したアインツベルンのサーヴァントとして召喚された。
召喚の際の触媒は彼を奉る「神殿の支柱」で、劇中でバーサーカーが振るっている斧剣はこれを武器として加工したものである。


狂戦士で召喚されたのは、前回の聖杯戦争でアインツベルンが招いたマスターサーヴァントが結果的に裏切ったことを受け、
今回の聖杯戦争では、裏切り行為の出来ない「完全に忠実な従僕」が望まれたこと。
また、元々数ある英霊の中でも最強クラスのヘラクレスを狂化すればどんな英霊も敵ではないとアインツベルンが判断した為。
ここだけ見ると「元から最強のやつ強くすればめっちゃ最強じゃん!」という小学生並の発想だが、
最強クラスの英霊をバーサーカークラスに据えて使役するというのは、制御や魔力消費の観点からすれば「理屈は分かるが普通はできない」発想であり、
制御のための特別製の令呪をこしらえ、魔力供給の問題も「ホムンクルス」という手段で解決できたアインツベルンだからこそ打てた手と言える。



○人物

聖杯戦争の2ヶ月程前に召喚されていたようで、聖杯戦争前からイリヤと親睦を深めており、主従の絆は極めて厚い。
その関係は時を超えて平行世界にすら影響を及ぼすほど。

ヘラクレスは生前にヘラによって発狂させられて自分の子供を殺した事を深く悔いていることから、イリヤと子供を重ねていた節があり、
召喚に応じたのも聖杯への願いなどではなく、生前に守れなかったから今度こそ子供(イリヤ)を守りたいと思ったから。
このため、彼が「アインツベルン」という家系を裏切る可能性はあるが、「イリヤ」を裏切ることは絶対にない。

狂化してなお、この願いに殉じて戦い抜く辺りは流石の大英雄ヘラクレスである。 


きのこさん曰く「作中一の」とのこと。
狂化しながらも、武人としての誇りが垣間見られ、どんなにこき使われて、黒化してもなお、イリヤを守ろうとする姿は正に漢である。

ちなみにこの巨体は英霊ヘラクレス固有のもので、どのクラスで呼ばれても基本的に同じ。身長2.5メートル、筋肉モリモリマッチョマンのナイスガイだ。
ただ狂化してなかった場合は筋肉もソフトになって腕の突起物は無くなり、顔つきも人間らしさが増すとか。鉛のような肌色は十二の試練の影響の模様。
また、バーサーカー以外のクラスならば戦士としての観察眼によって一度見た攻撃を見切る能力が付き、「十二の試練」の耐性と併用する事で二重の守りとして活躍したらしい。

本編の元になった『旧Fate』にも登場していたようで、マスターは外道牧師サンクレイド。
当時の宝具は「十二回までの闘いは絶対に負けない概念宝具」という反則級のもの。
なお、B以下の攻撃を無効化するのは宝具ではなく、Aランクと高い「神性」スキルによるもの。

ちなみにバーサーカーのモチーフは、『旧Fate』自体の執筆のきっかけになった石川賢版『魔界転生』の宮本武蔵。
バーサーカーの肘も、宮本武蔵のツノのオマージュである。




◆クラス適性

バーサーカーとしてクラス適性を持つのは、ヘラクレスが神話で何度も発狂する伝承がある為だが、
元々彼はキャスタークラス以外の6つのクラス全ての適性を持つほど、武芸百般を極めた武人である。
確かに狂化によって単純なステータスこそ上昇したものの、代わりに失った能力(宝具・スキル・技量・まともな思考等)が余りにも強力な為に、
バーサーカーではなく他のクラスで呼んだ方が圧倒的に強いだろうとファンからは常に言われている。バーサーカーが縛りプレイ用クラスと言われる元凶

公式回答によるとヘラクレスは「アーチャーのクラスが最も能力を発揮できるクラス」と発言されている。
これはヘラクレスの項目を見れば分かるが、彼は武芸百般でありながらいくつもの難題を機転と頓知で解決した知恵者なのであって、
アーチャークラスで呼び出して単独行動のレンジャー・探索者・冒険家として活動させ、その知恵と兵法を発揮させた方が絶対に強いのである。
アーチャーの場合は、「ヒュドラの毒矢*2」や「ネメアの獅子の皮」等が宝具として追加される。
尤も、アーチャーであろうとバーサーカーであろうと、第五次のサーヴァントの中では最強なのは変わらないとも発言されている。


◆他の英霊との関わり

ギリシャ神話の大英雄だけに武勇・逸話に事欠かさない。
アルゴー船の冒険からイアソン、メディアアタランテなどの英雄とも知り合いである。*3
メディアには「何故だか分からんが非常に怖がられた為にちょっとショックだった」とコメントしており、
アタランテには弓の腕を称賛していて是非競い合いたかったとコメントしている。

尤も、アルゴー船に集いた歴戦の英雄達の中でもヘラクレスは余りにも飛び抜けて強すぎた為に、
アタランテを含む一部の英雄からは最強、万能、無敵の超人として強すぎる為に近づき難かったとして苦手意識を持つ者もいた模様。
そんな中で化け物と呼びつつも自分に積極的に接してくるイアソンは、
神の思惑に翻弄される互いの境遇もあってか、彼にとってほっとけない知人として好感を持っていたようだ。
イアソンの側からの信頼は非常に確かなもので、トロイア戦争の大英雄であるアキレウスに対して「ギリシャ二の英雄、一はヘラクレス」と誉め言葉(?)を言っているほど。

知名度も世界最高峰の英雄なだけに大抵の地域で相応の知名度補正を得られるが、特に西洋圏なら更に力を発揮出来るとされている。
母国ギリシャならばヘラクレスを呼べば優勝確定に等しいとされ、
『Apocrypha』世界では触媒の争奪戦が後を絶たず、結果的にギリシャでの聖杯戦争は行われていないという。

その知名度と名声から大抵の英霊は雑種と見下すギルガメッシュも、ヘラクレスにはある種の期待を寄せていたようである。
原作ゲームでは期待はしていたが所詮はバーサーカーという事で知性なき獣と失望して鼻で笑い見下していたが、
ufoアニメやコンテでは「一つの神話の頂点に君臨する猛者」「我がウルクにも貴様ほどの益荒男はおるまい」と高い評価を見せていた。

余談であるがその知名度の高さから各偉人たちにも影響を与えており、
史実ではアレキサンダー大王は自らをヘラクレスの子孫と言って獅子の兜を付けて彼のコスプレをしたり、
暴君ネロはヘラクレスの真似をしてライオンの絞め殺しを行っていたりなどヘラクレスを尊敬していたとされている。




○戦闘能力

本来バーサーカークラスは「狂化」のスキルによる莫大な魔力消費や維持の難しさから、
そのままでは「弱い」英霊を狂化し、その能力を高めて使役するのが普通なのだが、
今回は元の英霊としての格も最高峰なのを更に強化して使役しているので、それはもう圧倒的な戦闘力を誇る。


狂化の影響で技量は喪失した為に身体能力に任せた暴力的で荒々しい戦い方を行うも、
その圧倒的な怪力と最高のスピードから繰り出される嵐のような攻撃には技術など必要なしと称され、
事実として、ただ武器を振り回するだけで他のサーヴァントを圧倒するほどの強さを誇る。
防御面も十二の試練に頼りきりという訳でなく、『心眼(偽)』によって、危険な攻撃には即座に反応し迎撃を可能にする。
小手先の技術など彼には通用しないのだ。

コンマテによると「単純な殴り合いなら全サーヴァント中間違いなく最強」との事で、
「十二の試練」の特性と彼自身の圧倒的な白兵能力から、サーヴァント中でも屈指の強さを誇る。
公式においてもギルガメッシュ、セイバーオルタと同じく「最強のサーヴァント」と評されており、
10年経って派生作品が増え、様々なサーヴァントが追加された現状でもかなり上位に食い込むサーヴァントの一騎。

尚、通常時は制御しやすいように「狂化」のランクを落としており、理性は奪っているもののパラメーターの底上げはしておらず、
全力で闘う時のみ狂化を解放して能力を上昇させる(この際に筋力のランクのみ色が変わるという表現がされている)。
それを目の当たりにしたセイバーは「あれ程の強さでありながら、まだ(本格的には)狂化してなかったのか」と驚愕を隠せなかった。

余談だが、

「知名度や武勇などの高名さは私でも数段ランクは劣るでしょうね*4
「ヘラクレス程の大英雄ならパラメーターは恐らくほぼ全てAランクでしょう」

と作中で語られており、表記されているパラメーターはカンストしている節があり、後述の情報からその可能性がありえる


宝具

十二の試練(ゴッドハンド)

「ヘラクレスは12の難行を乗り越え、神の座に迎えられた」という人生・逸話を宝具として昇華したもの。
ざっくりと説明すると、死んでも超高速復元で11回生き返る事が出来るという反則級の宝具。
終始敵対するセイバールートでは大いに士郎たちを苦しめた。

射殺す百頭(ナインライブズ)

「12の難行の一つ、9頭の水蛇・ヒュドラ退治の際に、ヒュドラの無数の頭に矢を射かけた」という逸話が宝具として昇華されたもの。
ただし「狂化」の影響で封印されており、使用は出来ない。
要するに「ヘラクレスは神速で連撃を放って攻撃できる」という体術そのものを指す。
宝具とは言え、あくまで「彼が生み出した流派」なので、各クラスに対応した宝具がまた別に追加される。何だそれ。
ステータス表でも「『射殺す百頭』を生み出す際に使用した弓も、立派な彼の宝具である」と解説されている。


詳しくはそれぞれ個別項目へ。



○本編での活躍

Fate

その圧倒的な力で序盤から常に強敵として立ち塞がり、士郎達を長く苦しめた。
中盤にて、アインツベルンの城に拉致された士郎を救出にやってきた凛達を襲い、囮として立ちはだかったアーチャーと交戦。
結果的に彼を仕留めるも、6個の命を失う程の苦戦を強いられてしまう。

より確実に勝つ為に命のストックの回復を進言するも、この思わぬ苦戦にプライドを傷付けられ激昂するイリヤには聞き入れて貰えず、
バーサーカーは進撃を命じる彼女に従いセイバーを追い詰める。
しかし、士郎が投影した「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」を使ったセイバーによって7つの命を一気に削り切られ、敗北。
消滅の際に理性を取り戻し、彼らの闘いを賛美し、静かに消えていった。


今のは貴様の剣ではなかろう。
ソレはその男が作り上げた幻想に過ぎん

所詮はまがい物。二度とは存在せぬ剣だ。
だが、しかし───

───その幻想も侮れぬ。
よもやただの一撃で、この身を七度滅ぼすとはな……


UBW

突如アインツベルン城に現れたギルガメッシュを相手に闘う事に。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」から放たれる無数の射出宝具からイリヤを守る為、
敢えて回避せずに自らの肉体で射出宝具を受け止めながら前進して距離を詰めるという、無謀な戦法を強いられる事となる。
観戦している士郎、冷笑するギルガメッシュ、そしてこの戦法を選んだヘラクレス本人すらも今の闘い方では勝機がない事を悟りつつも尚も愚直に前進を繰り返す。

それは狂戦士故の狂気に委ねた蛮行ではなく、ただイリヤを守ることを何よりも優先したが故の行動。
たとえどれほど絶望的な闘いであろうとも断じて譲れないモノの為に抗い、無数の命と引き換えに遂に距離を詰めるも、
ギルガメッシュが最も信頼する「天の鎖(エルキドゥ)」によって捉えられ、身動きが取れなくなる。
そして目の前でイリヤを殺された怒りにより、遂に「天の鎖」すらも破壊*5し、ギルガメッシュに襲い掛かるも迎撃され敗死。
消滅の最中、せめて死にゆく彼女を安心して逝かせる為に彼女の元に歩み寄る。
矛盾を嫌う世界の修正、一欠片の力も残っていない身体、自身を消滅させに掛かる全ての要素をその強靭な意志の力のみではね除け現界を保つ。
まだ消える訳にはいかない
自らを罵倒する事で己を支えていた少女、彼女が安心して眠れるように側に寄り添いながら消滅した。


HF

間桐臓硯の指示で黒桜セイバーオルタに襲撃される。ついでに真アサシンにも。
黒桜の影(対サーヴァント用即死罠)を見て即座に勝てる相手ではないと本能的に悟り、イリヤを連れて逃走するも追いつかれてしまい、交戦。
3対1という非常に不利な戦況に加えて、足を影に捕らわれてしまうという絶体絶命の状況に陥りながら、
なおもセイバーオルタと対等に切り結ぶ力強さを見せつつも徐々に増えていく影の拘束の前に次第に押されて始める。
最終的に数度の死を迎えながらもセイバーオルタに特攻を仕掛けるも『約束された勝利の剣』の前に沈黙、影に呑み込まれてしまう。

その後は黒桜の誘導でアインツベルンの森から逃走する士郎・イリヤ・言峰の追撃者として闘う事になる。
セイバーオルタによって傷つけられた身体は治癒されておらず、全身はボロボロ。視覚も失われているが、気配を頼りに標的に襲い掛かる存在と化した。
士郎が移植されたアーチャーの左腕を解放して放った『是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)』を喰らった後*6、反撃するも回復した視界にイリヤの姿が入り攻撃を停止。
黒化してはいたが彼の『イリヤを守る』という決意までは犯す事は出来ず、そのままワザと士郎のトドメの一撃をくらい、イリヤを彼に託して消滅した。



───お前が、守れ……


本編外での活躍

タイガーころしあむ

願いを叶えられるように大河の配慮で喋れるようにされ、本来の人格を現すようになる。だが、いざ口を開いてみると

フッ、全く困ったレディだ
私には分かりませんよ、お嬢様。何故ならこのバーサーカー、敬愛するお嬢様の事以外わかりたくないのですから

薔薇を片手に穏やかで気取った口調でキザな発言を連発する、喋る物凄い紳士(ジェントルマン)であった。
その姿を目にしたイリヤは「バーサーカーって普段、そんな喋り方だったの―――――!!?」と驚愕。
普段のギャップと暴走した言動からイリヤは終始困惑していたが、まあギャグ時空だから仕方ない。
というかセイバールートでの彼の死に際の台詞とはかけ離れているし、虎聖杯の悪影響を受けている疑いもあり本当に素かは不明。おどけた際の口調とも考えられる。

カーニバル・ファンタズム

わざわざベテラン声優をナレーターに起用しての「はじめてのおつかい」で主役となり、イリヤに頼まれて電池を買いに行く。
暖かい目線のナレーションもあってバーサーカーの挙動がシュールギャグ可愛く見えてくる不思議。そしてランサーは死ぬ。『このひとでなし!』
レース回でトランスフォームしてバーサーCARになったこともある。風雲イリヤ城再び。

プリズマ☆イリヤ

シャドウサーヴァントとして出現し、相変わらずのスペックでイリヤ美遊を苦しめた。
最終的に力を合わせた二人によって『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』の12連発を食らって倒れ、カードとして回収された。

限定展開(インクルード)ではいつも使ってた斧剣になるがイリヤでは重すぎて使いこなせない為、長らくお蔵入りとなっていた。
3作目になってようやく夢幻召喚(インストール)で使用されたが、勿論「狂化」は完備であり、徐々に理性が失われてしまう。
ただし、理性を失いきるまではステータスアップの恩恵だけを受けられるというチート仕様のため、
なんやかんやで協力者になったアンジェリカによって外付けで改造が施され、常人が理性を保てる10分が経過したら自動で夢幻召喚が解除されるようになった。

また、このクラスカードにのみ存在する、特殊な能力も判明。
それはバーサーカーの夢幻召喚状態から別のカードに夢幻召喚した場合、クラスが継承されるというもの。つまり、別の英霊をバーサーカー化させることができる。
ヘラクレスは人間の英雄であるため狂化によって戦技が失われてしまったが、
最初から戦技もへったくれもない怪物であればそんなデメリットは無視できるため、リスクなく能力が底上げできる。

それだけでなく、「 イリヤとの相性が良い 」ことも後に判明。
イリヤが使用した場合に限っては狂化するギリギリのところまで理性を保っていられる。この世界でも主従は健在だった。
理性を失ったイリヤが見たいと思った人は正座してなさい。
それでいて強制排出機能は外付けゆえ健在なため、任意で強制排出機構を作動させる事で無理矢理相手の夢幻召喚を解除できるという、
これまた強力な能力を得ることとなった。もうバーサーカーカードだけでいいんじゃないかな

Fate/strange Fake

そして、時は流れて遂にアーチャークラスでのヘラクレスが登場。
偽りの聖杯戦争にて異常な力を振るう謎のアーチャー、その正体こそがヘラクレスであったのである。

しかし、マスターの策略によって負の側面が強調され、復讐者(アヴェンジャー)のクラスが付加された謂わば「ヘラクレス・オルタ」とも言うべき姿で登場。
己の生涯に渡って苦行を与え続けた神々への憎悪を滾らせ報復を誓う復讐者。
性格も目的の為ならば手段を選ばず、敵対するならば幼子であろうと容赦なく狙い撃つ、これまでの彼からは考えられない程冷酷な人格へと変わり果てている。
それに従って「ヘラの栄光(ヘラクレス)」という名を捨て、幼名である「アルケイデス」を真名としている。
一方で非道を躊躇いなく行う自らを卑劣者、悍ましき外道と称して自虐したり、弱者と侮っていた者の思わぬ反撃に心からの賞賛をもって讃えるなど、
内にある戦士としての誇りなどは変質する前と変わらず持ち合わせている模様。

またバーサーカーのクラスでは出来なかった戦士としての力量を発揮して、
ギルガメッシュの財宝による猛攻を軽くいなし、「弱い」とまで言ってのける超絶的な技量を見せ付けたり、
『十二の試練』に由来する『十二の栄光(キングス・オーダー)』という強力な宝具を提げるといった本来のヘラクレスの力を一端を披露しており、今後の活躍にも期待される。

尚、変質する前の本来のアーチャー版ヘラクレスも僅かながら登場。
こちらはこれまでで明かされた情報通り非常に穏やかな言動を行う紳士であり、
周囲の人間はおろか敵対関係である他の英霊への配慮すら考える程の人格者であった。
無論、タイコロ程に暴走している訳ではないが、ギャグ方向で強調されていたと考えれば納得出来る高潔な英雄である。
デザインも漫画版にて公開され、バーサーカー時は狂化の影響で皺が寄った硬い表情になっていたようだが、此方は柔らかく端正ともいえる人間味のある表情になっている。
バーサーカー時に比べて身体付きも筋肉が丸みを帯びた為に全体的にシュッとした、やや細身の偉丈夫といった姿になっている。

因みに原典のヘラクレスは激昂して相手を殺害、酒癖の悪さや強奪といったやりたい放題のエピソードが多数ある、
お世辞にも紳士とはいいがたい、非常に短気で荒っぽい一面も描かれている。
生前の知り合いによると型月のヘラクレスもこういった行いを実行している様子。
これはクラスの変化故に起きる傾向らしく、三騎士なら高潔な武人だが、
他のクラスのライダーやアサシンなどのヘラクレスは伝承の荒くれ者としての一面が出ることが示唆されている。


Grand Order

スマホゲームであるFGOにも初期から参戦。レア度は☆4(SR)。
チュートリアルで行える10連ガチャは「☆5は出ない」代わりに「一部の☆4サーヴァントが確定で出る」仕様となっているが、
他の初期実装☆4組同様に、ヘラクレスはこの中で出る可能性がある一騎に選ばれている。
ゲーム自体が序~中盤まではとにかく高い攻撃力で敵を瞬殺する戦法が有利なバランスである事、
バーサーカークラスはそのクラス適性から、ほとんどの敵(クラス)に割増ダメージが与えられるので汎用性が高い事、
ヘラクレスは育て切れば終盤でも活躍できるスペックを持つことなどから、チュートリアルガチャの一番の当たりであるとされる。
実際、ヘラクレス狙いでリセマラしたという人も多い。

なお、第五次聖杯戦争では「イリヤでなければ制御・維持が難しい」とまで言われたバーサーカーが、
本作では(魔術師としては)平凡どころか一般人と変わらない主人公が制御できているのかに関しては、
カルデアによる魔力バックアップに加え、本人の幕間の物語でのロマニの分析によれば「意図的に能力を落として制御可能にしている」とのこと。

序章「炎上汚染都市 冬木」

セイバーに敗れ黒化したことが語られるが、シナリオには未登場。セイバーにも制御できなかったらしい。
泥に汚染されてなおアインツベルンの森の跡地に居残り続けている事が分かっており、当面の脅威じゃないという理由で兄貴には放置されている。
フリークエストで彼に挑むことが出来るが、序盤ではまず勝てないような強さを誇るため、最初はスルー推奨。パーティが整ってからチャレンジしてみよう。

第3章「封鎖終局四海 オケアノス」

原典での同胞であり兄弟弟子であるイアソンの部下として登場。
基本的にはマスターであるイアソンの命令に従い動くが、エウリュアレの捕縛を目論むイアソンの意に反し彼女を殺害しようとすることも。
イアソンはこれを「バーサーカーだから多少命令に従わないのもしょうがない(意訳)」と考えていたが、
カルデア側からは「イアソンの命令が世界に何をもたらすかを知っていて、狂化により意志を失いながらもそれを阻止しようとしたのでは?」と推察されている。

原典でアルゴー船に搭乗していたアタランテは「イアソン個人の戦闘力は大したことない」と評価していたため、
敵のリーダーを差し置いて、カルデア&ドレイク一行からは最大の障害と見なされることに。*7
事実幾度もカルデア一行の攻撃を阻み、『stay night』同様『十二の試練』による圧倒的な耐久力で文字通り壁として立ちふさがった。

しかし、一度はアステリオスの奮戦により単純な物理攻撃で『十二の試練』を破られ(アステリオスの筋力は「A++」である)一度殺される。
その後アステリオスと組み付いた体勢のままヘクトールの『不毀の極槍』を受けて串刺しの状態となり、アステリオスの振り絞った最後の力で海中に没する。

…が、バーサーカーは生きていた。
正確には、『十二の試練』の効果で蘇生したのだが、カルデア側のサーヴァントが複数体で挑みながら2回殺すのが精一杯という事実は、
ファンに改めてその恐ろしさついでにそんな奴を6回殺したエミヤの強さを知らしめた。
そしてカルデア一行を潰すべくイアソンの命令で襲撃をかけるが、主人公達の、
「エウリュアレを利用してバーサーカーを誘導し、ダビデの『契約の箱(アーク)』にバーサーカーを触れさせることで殺す」
という決死の作戦に乗せられ、『契約の箱』のある場所まで誘導させられる。
バーサーカーも『契約の箱』の危険性は理解していたため抵抗したが、誘導された場所が一本道のカタコンベであり避けようが無く、
最後は主人公たちの攻撃で押し込まれ、『契約の箱』に触れてしまう。
そして『契約の箱』の「ダビデ以外の箱に触れた者の魔力を問答無用で奪い殺す」という能力により、『十二の試練』も無効化されて即死した。

終局特異点

1部最後の大決戦MOVIE大戦FGO~魔神柱年末収穫祭~「冠位時間神殿ソロモン」でも登場。
異常な戦力差に悲鳴を挙げるイアソン(味方陣営)に、メディア(リリィ)らが「船を守りつつ防衛に徹しよう」と進言する。しかし当のイアソンは…
「いやヘラクレスに全力攻撃させて援護した方が効率的っつか一択、強い奴活躍させるのが最善だろ(意訳)」と一蹴、イアソン本人も操舵に集中する。
いつも逃げ腰かつ保身に全力なクズ野郎みたいなイアソンが突然打ち出した、自分自身をも犠牲にしかねない大胆な作戦に周囲は驚愕。
ヘラクレスにも「バーサーカーと言えど戦いに関する事なら理解できるだろ!」というイアソンの呼びかけに対し話を聞いたヘラクレスもニヤリとしてみせるなど、互いへの信頼を伺わせた。

亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界アガルタ』

1.5部でも登場。ただし本来のヘラクレスではなく、狂化をさらに突き詰めた絶対暴走状態…「超狂化」ともいうべき状態で歪曲召喚されている。
この時のヘラクレスは「ヘラクレス・メガロス」と呼ばれている。
このメガロスは霊基自体強化されており、従来のヘラクレスでさえ比較にならないほどの超パワーを誇り、身体自体も巨大化。
神出鬼没に表れては目につくものに襲い掛かる、厄介な怪物と化していた。

そしてこの状態で宝具『十二の試練』を発動させており、実際に戦闘になると11回分のガッツが付与されている。
ストーリー上は一定回数ガッツを削るたびに戦闘が中断されるため、本当に12回連続で殺さないといけない訳では無いが、
それでもとんでもなく攻撃力が上がってて厄介極まりない。

ロストベルトNo.2『無間氷焔世紀ゲッテルデメルング』

2部でも登場。夢の世界に落ちた主人公の前に、突然門番として立ち塞がる。
とある複合疑似サーヴァントの護衛として主人公の手から守っていたが、悪意のないことを伝えられ引き下がる。

その後はあちらが主人公達の側に付いたことで味方に。パワフルさは健在であり、大型の剣をその力だけで受け止めている。

ロストベルトNo.5『神代巨神海洋アトランティス』

本編登場以前にアルテミスの砲撃を受け止めたことで消滅している。

ユニットとしての性能

原作のイメージ通りのパワーファイターで、適正レベルであれば原作よろしく適当に殴っているだけで雑魚を斬り飛ばしていく
スキルも優秀で、ただでさえ高い火力をさらに底上げする「勇猛」、相手の攻撃を1ターンだけ無敵状態になり回避する「心眼(偽)」、
そして一度だけHPが0になっても復活できる「ガッツ」効果を得る「戦闘続行」と、単純ながら強力なものが揃う。
ただしこのゲームでのバーサーカークラスは戦闘システムの仕様でシールダーとフォーリナー以外の全クラスに割増ダメージが与えられるが、逆に全クラスから割増ダメージを受けるため、
雑魚の連続攻撃やクリティカルによる事故で1ターンで事故死することも原作の不死身の耐久力はどうした。

幸い「心眼(偽)」「戦闘続行」と耐久力を補う手段はあるため、適度にこれらのスキルを使って事故死を防ぎたい。
総じて、攻防のバランスが最初期キャラの中でも良く、後述の絆礼装の性能もあり、
チュートリアルのガチャで出てくる☆4サーヴァントどころか、☆4全体で見ても「当たり」サーヴァントの一騎と言われている。

宝具は『射殺す百頭(ナインライブズ)』。強力な単体攻撃で、防御力ダウン効果付き。
演出ではおなじみの斧剣で敵を滅多斬りにし、最後に地面が割れるほどの一撃を叩き込む…というかなり爽快感のある代物。
バーサーカー時には使えない宝具じゃないのかって?世紀末聖杯戦争でも使えていたし「強力な連続攻撃」ぐらいの扱いなんだろう多分
逆に『十二の試練』は失っている。マテリアルにも「『十二の試練』は今回の召喚では発揮されていない」と明記されている。

…しかし2016年秋頃のイベント『ネロ祭再び ~2016 Autumn~』では、FGOの戦闘システムにおける十二の試練の再現として、
HP12万でパッシブスキル『非情なる十二の試練』として「HPが0になった時50%回復して復活する状態(ガッツ)」を11回付与された彼が登場。
このパッシブスキルは第六章に登場した『ギフト』と同じく白枠に囲まれておりバフ解除効果で解除できないため、本当に12回殺す必要がある。
『stay night』のように○回分殺すなんて真似は(ほぼ)出来ない。バーサーカーの驚異的な火力に異常なタフさが加わり最強に見える。
また上述のようにアガルタでも『十二の試練』持ちヘラクレスが登場している。

…本題はここから。

FGOにはキャラの絆ポイントを最大値まで溜めると、該当キャラ専用の礼装(通称:絆礼装)が貰える。
基本的に絆礼装は殆どの場合少ないパラメータ値に対し味方全体のカード性能アップなどという申し訳程度の効果が多いのだが、
ヘラクレスの絆礼装である《雪の城》の効果は『ヘラクレスにガッツ3回付与(復活時HP1)』という非常に強力なもの。
これを装備させた場合、本作のガッツの仕様*8も相まって理論上スキル最大強化時において8ターンもの間居座る事ができる。
加えて、単体宝具でバスター3枚のバーサーカーで、かつ本人の攻撃力も高いという点が敵ボスとのタイマンにおいて非常に噛み合っており、強敵相手の殿要員の最適解の一つとして扱われている。
また単騎運用でも強力であり、ヘラクレス単騎で1部ラスボスを倒しきれてしまう。
更に2020年8月10日に遂に実装された強化クエストにて「戦闘続行:A」が「不撓不屈:A」に進化し、
絆礼装のガッツに重複してガッツが付与出来る様になった上に、ガッツが発動する(=倒される)度に5ターンのバスター強化20%バフが付く様になった。
これにより単騎運用時の火力が上がっただけでなく、スキルの方のガッツをすぐに使用出来る様になった為、
アトラス院のマスタースキルでCT減少を利用して最大で9ターン居座ってバスターブレイブチェインを叩き込む事が理論上可能となった。

大英雄ここに極まれり、といった所である。

……難点は、絆礼装獲得は莫大な絆ポイントが要求されるエンドコンテンツの1つであること。
具体的にはヘラクレスの場合、礼装獲得に必要な絆ポイントは実に149万ポイントである。
フリークエストでもらえる絆ポイントが多くても800程度と言われたらその莫大さがわかるだろうか。
メインクエストならばそれより多く貰えるが、それでも常に出撃枠にヘラクレスを置き、絆ポイントをブーストする礼装をフル装備しても入手から半年程度の時間が必要になる。
また、ガッツで回復するHPがあまり多くはない為、呪いなどのスリップダメージでガッツを削られると居座れるターンがどんどん短くなる。
特にケルヌンノス相手にはこの弱点が突き刺さってしまう。

特殊会話は狂化している為に発生しないが、書籍マテリアルには関係者へのコメントの記載されている。
上記のメディアやアタランテ、イアソン以外にもコメントがあり、神の被害を受けた者同士であるメドゥーサには「神は相変わらず最低だなぁ」と同情の意を寄せている。
また師であるケイローンを誤射で殺めた事を後悔している事をもらしているが、
「争いを止めようと割って入ったケイローン師も覚悟していたのであろう」と師の覚悟を想う発言をしている。
もっとも伝承ではケイローンは酒に酔ったヘラクレスに巻き込まれた形で毒を受けた純粋な被害者であり、また酔っ払い同士の諍いは嫌いと色々とアレな反応している模様。
そんな訳でマイルームではケイローンの前では非常に気まずそうな態度になってしまい、ケイローンの方が気を使っていることが語られる。






──────▂▂▅▅▆▆▆▆▇▇▇▇▇▇▇▇!!(追記・修正お願いします)

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

キャラクターや作品に対しての誹謗中傷等を行った場合、IP規制・コメント欄の撤去等の措置がされる可能性がありますのでご了承下さい

+ タグ編集
  • タグ:
  • Fate
  • TYPE-MOON
  • GO
  • hollow
  • プリズマ☆イリヤ
  • バーサーカー
  • アルゴノーツ
  • 神になった男
  • ギリシャ神話
  • サーヴァント
  • ヘラクレス
  • 西前忠久
  • 狂戦士
  • ベルセルク
  • 最強
  • 紳士
  • バーサーCar
  • はいてない
  • でかい
  • 重い
  • 速い
  • 日本語でおk
  • サイアーク
  • はじめてのおつかい
  • 紳士
  • タキシード
  • 薔薇
  • トランスフォーマー
  • 公式最強のサーヴァントの一人
  • 筋肉達磨
  • 半神半人
  • FGO
  • stay night

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月03日 10:56

*1 冬木において最初の聖杯召喚は、現在知られる戦闘儀礼ではなかったとされる

*2 師であるケイローンを含む数々の不死身の存在を死に至らしめ、最期は彼本人の死因になった猛毒の矢。アポマテによると毒としては最高クラスでAランク。更にギリシャ英雄ならば特効が加わり、A+ランクに上昇。喰らえば歴戦の英雄でも激痛で動けなくなる猛毒。

*3 逸話によって、彼はアルゴー船を途中で下船しているものと一緒に冒険を続けたものとで別れる。前者ではメディアとは本来面識がないことになるので、『Fate』では後者を選択したと考えられる

*4 ただし、「side material」ではクーフーリン、アルトリア、ヘラクレスは同列として扱われている

*5 この「天の鎖」は、捕縛対象が高い「神性」を持てば持つほど強く締め付け、拘束する「神を縛る」能力を持つ宝具であり、Aランクという最高レベルの「神性」を持つバーサーカーがこれを破壊するなど本来なら有り得ないことである。

*6 奈須きのこによると通用したのはヘラクレスの負傷が大きく万全なら複数の斬撃をそれぞれ迎撃して潰しにかかったとの事

*7 一応原典のイアソンは、従者ヒュラスをニンフにさらわれて「船下りて探すー!!」と船員相手に暴れるヘラクレスを抑え込みながら説得できる程度には強かったのだが、型月では採用されなかった模様。

*8 敵の攻撃でHPが0になってガッツで復活した時に周りに生存している味方が誰もいない場合、その時点で相手のターンが終わる。