ディヴィナーレ 倫敦(ロンドン)の霊媒師
(原題:Divinare)
発売年 |
2012年 |
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プレイ人数 |
2~4人 |
プレイ時間 |
30分 |
対象年齢 |
13歳以上 |
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デザイナー |
Brett J. Gilbert |
ゲーム概要
凄腕の霊媒師(?)であるあなたのお仕事は、ずばり「ズバリ言う」事。
場に回る4種類のカードがそれぞれ何枚ずつあるかを予想してください。
何かが間違っているような気もしますが、霊の世界と通じたあなたに判らない事などありません。様々な霊視手段を駆使(している振り)して、ドヤ顔で未来予測を披露しましょう。的中率の高い霊媒師は同業界の勝ち組となります。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- 手相占い6枚・水晶占い8枚・紅茶占い10枚・星占い12枚の計4種36枚からなる占いカードを使用する。
- 各占いに対応した4種のボードと、プレイヤーカード4種&各自のマーカー4個。ほぼこれだけ。
セットアップ
- 4種のボードを並べ、各プレイヤーのマーカーをボード上部に配置する
- 占いカードは均等にシャッフルされた後、
12枚がそのラウンドから除かれる
- 24枚の占いカードを各プレイヤーに均等に配る
プレイ上のポイント
- 各プレイヤーに配られたカードが順に場に出されていくので、最終的にどの占いに何枚出されるかを的中させる。
- 手番の流れは以下の通り。
- 1. 手札からカードを1枚出し、対応するボードの近くに置く
- 2. カードを置いたボード上の自分のマーカーを、数字の書かれたマスのどこかに移す
- この数字は、「その占いのカードが最終的に何枚出るか」の予想を表している。
- 他のマーカーが既に置かれているマスに置くことはできない。
- マーカーは
必ず動かさなければならない
。
ボード上部にある場合はどこかのマスへ、マスにある場合は、別のマスかボード上部(予想取り下げ)へ。「カードを出して現状維持」は不可。
- 全プレイヤーの手札の枚数が規定数になった時、カードドラフトがある。
現在の手札の内半分を次のプレイヤーに渡し、その後同様に手番を繰り返す。- プレイヤーの初期手札はプレイ人数で頭割りにされ、ドラフトタイミングも人数で変動する。
ラウンド数はプレイ人数と同じ。
人数 |
初期手札 |
ドラフト |
備考 |
2人 |
12枚 |
8/4 |
手札が12枚の時に2枚裏向きで捨て札にする。 全ラウンド終了後、捨て札の4枚が場にでる。 |
3人 |
8枚 |
8/4 |
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4人 |
6枚 |
6/4/2 |
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- 全てのカードが場に出され、予想が完了したらラウンド終了。
得点計算をして勝利点チップを配り、次のラウンドへ移行する。
終了条件・得点計算
- ラウンドごとに得点を集計。
配点は、「完全な予測」と「惜しい予測」の両方に設定されている。- 完全に的中したら3点(青いチップ)。その両隣のマスは1点(黄色いチップ)。
- 得点が発生した時、ボードのマスに「◎」が描かれていた場合は、追加で2点。「◎」が描かれていた場合は、追加で1点。
- 予想を外したマーカーは-1点として計上されるので注意。
- 規定回数のラウンドをこなしたらゲーム終了。全ラウンド終了時点で総得点の最も高いプレイヤーの勝利。
ゲームの流れ
- セットアップ
- 占いカードをシャッフルし、12枚を除く
- 占いカードを各プレイヤーに配る
- ラウンド開始
- 手番プレイヤーが手札からカードを出し、対応するボードのマーカーを動かす
- 手札が規定枚数になった時、カードドラフト。手札の半分を次手番プレイヤーに渡す
- 全てのカードが場に出されたらラウンド終了。得点計算をして2へ戻る
- 規定回数のラウンドをこなしたらゲーム終了
カードを回しながら、手札から出しつつマーカーを動かして予想、またカードを回して、予想して。
これを数回繰り返して一喜一憂するゲーム。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 基本的には、手札・場に出る札・回る札をそれぞれよく見て予想を立てるゲームとの認識で大きな間違いはない。しかしカードの回り方次第では、「予想したくてもできない」「適切な予想を退けざるを得ない」という状況が普通に起こる。情報操作や完璧な読みが、できそうで上手くいかない。
つまるところは、立ち回りに工夫がいりつつ他人の思惑にも転がされてしまうお手軽ギャンブル。賭けに出るべき局面では強気に行きたい。他人との点数差計算なども有効かもしれないが、そこを楽しむゲームではない感じ。
- プレイ難度
- カードドラフトそのものに慣れていないと、感触に戸惑う事はあるだろう。それ以外に、障害になりうる要素は特にない。プレイ時間も短く、気軽に触れやすい仕上がり。
となると、やや高めの対象年齢設定は「確定情報から不確定情報を予測する」という一捻りある思考性ゆえか。
- コンポーネント
- 材質が良いのか、配色・デザインが良いのか、とても見栄えのするコンポーネント。タイルやボードには厚みがあり、占いカードの絵柄は凝っている。宝石の表現におけるゴージャスなキラキラ感も、紙に印刷したものとしては破格の美しさで、女性霊媒師がもっと美人でも良かった点以外はおよそ文句なしの出来。
欠点
- プレイ前後の印象がズレやすい奇妙な手触りのゲームであり、また「霊媒師」のテーマ再現としては少々ロマンの無い内容。もっとも、それを欠点と呼ぶのかは難しいところ。
お勧めタイプ
ドラフトで得た情報を根拠とする「予想」が中心の勝負で、「これが霊媒師?」とテーマへの疑問符が方々で囁かれている。そしてそれ以外に、「流れ」や「空気」といった繊細な赴きも併せて味わう事となる、何とも風変わりなゲーム。
ただし初回プレイ時の「なんじゃこりゃ感」さえ乗り切れば、それ以降はとても付き合いやすい。まんべんなく揺らぎ要素が仕込まれていてプレイ後に後ろ髪を引かれる事もなく、勧めるに躊躇のいらない安定タイプである。
【お勧め度:★★★★★★★☆--】
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【このゲームのイメージ図】 不確定要素の割合が結構大きい。 予想の正確性はもちろん重要だが、 時にはハッタリも有効。 |
FAQ
- Q:このゲームの肝がよくわかりません。
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A:
「ままならないゲーム」だと、皆そう言いますので安心してください。
元々曖昧さを含みこんだものと割り切って触れてみれば「よく注視すべき本命の占い」「ニアピン狙いの保険用」「揺らぎに対処するための緩衝材」などといった自分なりの処世術が、拙いなりに少しずつ出来上がります。
自己流分析とヤマカンと世渡りの使い分けでのし上がる霊媒師。聞こえは良くないかもしれませんが、霊能力以外にもこれらは必要なスキルだと思います。
最終更新:2013年10月02日 23:43